看護師が出る医療ドラマと現実のギャップ

医療ドラマを観ていると、様々なあるあるを発見するだろう。

まず、看護師が患者の車椅子を押して、のんびりと病院の庭を散歩しながら、しみじみと人生や人間関係について語り合うシーンをよく見かける。

しかし、散歩できるような庭がある病院はほとんどないし、激務に追われる看護師が、ゆったりと患者との交流に時間を割く余裕もないのだ。

1人の患者の散歩に付き合う余裕があったら、山積した雑用を済ませてからにしろと上司から叱られるに違いない。

また、患者の容態が急変した時に、看護師が慌てふためいて医師を呼びに行く場面も見られる。

実際には、現場慣れした看護師が、患者の容態変化に対してパニックを起こすような事態は生じない。

患者がどんな状態に陥ろうとも、冷静に対応できるよう看護師は訓練されているのだ。

それから、医療ドラマでは最初から最後まで一度も排泄物処理シーンが出てこないことも、現実と著しく乖離していると言わざるを得ない。

日常的に患者の排泄物を処理している看護師は、排泄物処理シーンがない病院の風景に違和感を覚えるだろう。

それから、看護師が病院の屋上で一休みして寛ぐシーンも、現実と異なる。

そもそも、病院の屋上に通じる扉は、患者の飛び降り等を防ぐために閉ざされているものなのだ。

さらに、医療ドラマでは、オペ看と呼ばれる手術看護師と執刀医が常に同じ組み合わせというのも奇妙である。

手術はチーム制ではなく、毎回執刀医とオペ看の組み合わせを変えるのが通常と言えるからだ。